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薬指の標本

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私は恋愛映画が嫌いだと思っていた。
しかし、よくよく考えてみると私は恋愛映画が好きなのかもしれない。

私の個人的判断による良い映画というのは登場人物が少なく、淡々と進み、結末が余韻を残すということであるように思う。登場人物が少ない方が、一人一人の人物に焦点があたるし淡々と進むことで、より深く考えながら見られる気がするからだ。

この映画は綺麗な映画である。結末も余韻を残すし、良い映画だと思う。

※以下、追記で内容とネタバレ個人の受けた印象なのであしからず
 

 物語は、少女がキノコを標本にしようと持ち込むシーンから始まる。
キノコが保存液の中を落ちてゆく

炭酸飲料の工場で働く主人公イリスは機械に左薬指を巻き込まれ怪我をしてしまう。
工場を辞めたイリスは仕事を探しながら港へ。たどり着いたホテルで見知らぬ男性コスタと部屋を昼夜交代で使うすれ違いの共同生活を始める。

翌日何気なく見かけた男のあとをつけたイリスは古びた館に行き着き、標本作成助手(事務員)の仕事を見つける。


依頼人が標本にしたいものを持ってくる。
そしてそれを標本にする。それがここの仕事。


家の焼け跡に残ったきのこ、別れた恋人がくれた曲。死んでしまった文鳥の骨。
標本にするのは、依頼人の忘れられない思いに関わるもの。「持ってくる品物は不安の種」

火事で全てを失った少女の持ち込んだ辛い想いの篭ったキノコの標本を見ながらイリスは、自らの傷をおった薬指を男から隠し、口付ける イリスにとって傷を負った薬指が少女のキノコのように何かしらの意味を持っているという事を印象づける。

一回の標本制作室(ラボ)へと
入っていく男、何処かでピアノを弾いている音。
遊んでいる少年と老女、忽然と消える二人。

昼夜ですれ違うイリスとコスタ、互いに惹かれゆく奇妙な共同生活は、同じ空間を共有していながらまるで別の世界に生きているようである。

男がプレゼントした靴。
ピッタリとイリスの足にハマる。濃い赤みのヒール。
驚きと恐れ
男は告げる「毎日履いて欲しい」「私が見てなくても」

イリスは二人の男のあいだにいる。
港で働くコスタと標本制作の男。
俗世で生きているこちら側の存在とあちら側の存在その間。

昔、まだ館が女子寮だった時代の写真には、若かった頃の住人、過去の老女達
イリスの驚きから見るに写っている男は今とそれほど変わっていない標本制作の男だろうか。
微笑む老女と男のあいだには、何かしらの関係性をうかがわせる。
靴を見つめる老女二人。イリスの靴には意味がある。
靴磨きは、靴が足を侵し始めていると言う。

標本を作ることは誰にでも必要だ。という男
彼女を眺めていた少年と、同じ構図で眺めている彼は恐らく少年であり、少年は彼なのであろう、もしかしたら館へ導いた男もまた同じ存在なのかもしれない。男もまた、何かに捕らわれているのだろう。

コスタはイリスを誘ったが、別の女と戯れる姿を見てイリスとコスタの関係は破綻する。
懐かしむように、使う人のいなくなったベッドに横になるイリス

この決別で、イリスの立ち位置は標本制作の男へと傾倒する。
こちら側から、限りなくあちら側へ

再び訪ねてくるキノコを標本にした少女
二つ目の頬のやけどの標本を頼みに
以前と変わって少女には影がある。きのこの標本を確認しに来た時とは違っている。
「標本と治癒とは別」

「私の願いは標本だけよ」
「自由になるために」
治療すればやけどは消せるかもしれない。
けれど少女は標本を望んでいる。
やけどというのはひとつのシンボルであって、少女の目的の本質がやけどではないことを表している。
ラボに向かう二人。

イリスは涙ぐんでいるようにも見える。
おそらく意味を察しているのだろう。

イリスの感応は、男の、あちら側からの誘いである。

なくなった少女の傘
イリスが探しているのはやけどの標本であろうか?それとも別の何かか、突然開く戸棚
古びた写真はそこにあったのか、写っているのはイリスと同じような靴を履いた女性。

今までに何人かいたらしい前任者。すぐに消えた若い子達
前任者は同じようなヒールを履いて、地下室へ消えた

体の一部を標本にするために地下室へ行きたいと望むイリス
愛しているかどうかよく分からずけれど、その人とは離れられない。
それは、おそらく靴のせいで脱がなければ一生捕らわれの身。
「自由になりたくないの」そう答えるイリス。

ラボに戻る選択に
もう会えないだろうと別れを告げる靴磨き

長く狭いトンネル
どこまでも続くような
どこか違う場所へ通ずるような

イリスは薬指を標本にする為にラボに向かう。

階段に座り靴を脱ぐ
そして彼女はラボへ向かう
開かなかった扉が簡単に開き、奥には光が満ち満ちている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「依頼人は目を閉じてもここに着く」
依頼人は館に自ずからたどり着く
館に呼ばれると言ってもいいだろう。
ならばイリスもまた呼ばれたのだろう。必要とするものがたどり着く場所
そうでなければたどり着けない。訪れる必要のない場所。
ある種の欠落を抱えた人間しかたどり着けない。
だから、エアコン業者はいっこうに現れない。
住んでいる住人たちもこちら側の存在ではもはやないであろう。
あの老女たちも

薬指に傷を負ったとき、仕事を辞めたとき、彼女はすべてを無くしたとのではないか
社会、俗世とのつながりを。彼女は空虚である。
唯一、イリスとのつながりを持ち始めたコスタだけが、イリスを俗世へと連れ戻せる可能性があった。

家の焼け跡のきのこを標本にした少女は
その悲しく辛い記憶、過去を標本にすることで決別することにした。
けれどできなかった。過去を振り払えず。
彼女は、自らの頬の火傷を標本にすることで
反対に自らを消失させたのではないか。


なぜ靴を脱いだのか?
普通に考えればあの場で靴を脱ぐ必要はない。
舞台は西洋(フランス)であってあの場で靴を脱ぐという事は日常行為ではありえない。
だからこそ、靴を脱ぐシーンには重要な意味がある。
靴は、彼女を侵すもの。彼女を捕らうもの。

靴を脱ぐ
それはつまり、靴の支配からの脱却を意味している。
それでも、彼女は地下室に向かう
彼女は自由な意思、自らの選択によって地下室へ向かう。
扉を開けるとそこには光が満ちていて、その向こう側へ向かうシーンで終幕を迎える。
これは、ぼくのエリに近い。ほとんど同種といってもいい結論であるように思う
彼女は、世俗との決別する。
今までの前任者たちも恐らくそうであったように、自らの意思で、こちら側から、あちら側へ消える。
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